おしらせ


2024/05/09

備忘録:Kuribayashi PETRI 50mm F2(PETRI PENTA V2用)はORIKKORと同じプレミアムな7枚玉

独自のスピゴット式ペトリマウントを採用し1961年に登場した一眼レフカメラのPETRI Penta V2には、それ以前のKuribayashi ORIKKOR 50mm F2(M42マウント)からの流れを汲むと考えられるKuribayashi C.C PETRI 50mm F2(上写真・左)と、新設計で焦点距離を55mmとしたKuribayashi C.C PETRI 55mm F2(上写真・右)の2種の標準レンズが供給されました。栗林写真工業社の公式カタログ[1-3]では、これらはいずれもオーソドックスな6枚玉(4群6枚)であると記されており、構成図までついています。一方でインターネット上には前者のPETRI 50mm F2がORIKKORと同一構成の7枚玉(下図)ではないかという噂も出ており、現物を手に入れ確かめる必要がありました。今回、構成を確認する機会がありましたので見てみると、何とORIKKORと同一構成の7枚玉(下図)で噂は本当でした。私の手にした個体が特殊なのでしょうか?それともPETRI 50mm F2は全て7枚玉なのでしょうか。ちなみにペトリマウントの50mm F2には銘板に「ORIKKOR」の名が入った個体「Kuribayashi C.C PETRI ORIKKOR 50mm F2」も存在します。カタログでの表記を擁護すれば、これが6枚玉で、ORIKKORの名がない個体が7枚玉という可能性も考えられます。

真相に迫るには、もう少し事例を集める必要がありそうです。

Kuribayashi Orikkor 50mm F2(Petri Penta)の構成図

ペトリレンズはどれも良く写るレンズばかりですが、その割にジャンク品のような不当な扱いをうけ、安値で売り叩かれています。中古カメラ屋のガレージセールではカメラ本体に付いた状態で打ち捨てられるように転がっており、その姿を見るたびに昭和生まれの私としては胸の痛い思いになります。これは市場に供給された数が多すぎた事に加え、独自のマウント規格を採用していた事が大きな原因です。しかし、ここ最近は良い兆しも見え始めました。7枚玉のORIKKOR(M42マウント)だけは独特な構成が再評価され、近年は1万円程度の値で取引されるようになりました。オールドレンズ界での「市民権」を得たようです。ペトリマウントのアダプターも全く無いわけではないようで、秋葉原のオールドレンズ専門店2nd BASEにはペトリマウントをライカMに変換する特製アダプターが売られています。焦点距離50mmの栗林製ペトリレンズを見かけたら、ぜひ拾い上げてやってください。もし7枚玉でしたら(6枚玉でも)、下方の掲示板でお知らせいただけると幸いです。ちなみに私が入手した個体は中古カメラ店のジャンクコーナーで800円でした。カビ、くもりなしです。

7枚玉のKuribayashi C.C PETRI 50mm F2(左)と6枚玉のKuribayashi Petri C.C 55mm F2(右)。どちらもPetri Penta V2用としてカメラとセットで販売されたレンズです

最後に7枚玉であることの確認方法ですが、上の写真のように絞りを閉じた状態で電球やLEDライトなどの光を後ろ玉の側から当てます。4個の明るい反射に挟まれ2個の暗い反射が見られれば、間違いなく7枚玉(4群7枚)のプレミアムなモデルです。

 

参考資料

OrphanCameras.com / Butkus.us

[1]Petri Penta V Instruction manual

[2]Petri Penta V2 Instruction manual

[3]Petri Flex V Instruction manual

 

撮影テスト
Camera: GFX 100S
Lens: PETRI 50mm F2(1枚目), PETRI 55mm F2(2枚目)
 
軽く試写結果も提示しておきます。どちらの栗林製レンズもイメージサークルにはかなりの余裕があり、中判イメージセンサーを搭載したFujifilmのGFXシリーズでケラれることなく使用できます。両レンズともコントラストは良好で、開放からシャープに写る高性能なレンズです。ボケがザワザワと固めなのは同社の標準レンズ全般に共通する性質です。
Kuribayashi 50mm F2 @ F2(開放) , Fujifilm GFX100S(F.S: St, WB:Auto)

Kuribayashi 55mm F2 @ F2(開放) , Fujifilm GFX100S(F.S: St, WB:Auto)

2024/04/23

Canon Lens 400mm F2に遭遇!















Canon Len 400mm F2

オールドレンズフェスは刺激がいっぱい。Canonの超絶大口径レンズ400mm F2に遭遇しました。所有者のGEORGEさんに会場に掲示されていたお写真の掲載許諾をいただきましたので御覧ください。凄いボケ量です。


オールドレンズフェスにて試写させていただいた時の写真も何枚かありました。超大口径レンズですのでピントはやはり激浅ですが、滲みなどはなくシャープな像です。

F2(開放) SONY A7II(李さん提供)
F2(開放) SONY A7II(李さん提供)